2022.12.13
あさくら観光協会を中心としたプロジェクト発足から、広く知られるようになった朝倉の郷土雑煮「筑前朝倉蒸し雑煮」は蒸して作る珍しい雑煮です。今回は諸説あるルーツのひとつをご紹介します。
時は江戸中期。長崎に茶碗蒸し料理が伝わります。ちょうどこの頃、長崎の警備に当たっていた福岡藩では、養鶏が盛んに行われていました。下級武士や庶民に養鶏を推奨し、鶏卵を江戸や大阪へ輸出する特産品にしたのです。茶碗蒸しは鶏卵をたくさん使う料理。こうして福岡藩に茶碗蒸し料理が広まったと言われています。
その後、朝倉地域に伝わったのは江戸後期のこと。福岡藩の支藩であった秋月藩も長崎警備を代行したことで、朝倉地域で食されるようになったとされています。と言っても、当時、鶏卵はとても貴重なもの。お正月というハレの日のお雑煮に、「貴重な卵を使う贅沢」が組み合わせて生まれたのが蒸し雑煮なのです。
筑前朝倉蒸し雑煮プロジェクトは、朝倉の各家庭で親しまれてきた蒸し雑煮を地域の名物食にしようと、あさくら観光協会を中心に立ち上がったプロジェクト。蒸し雑煮のレシピや、多彩な蒸し雑煮を提供する地元のお店の紹介、ご自宅で手軽に楽しめるよう商品化し、観光協会のショッピングサイト「ASAKURA0946ショップ」で販売も行なっています。観光協会の公式Youtubeチャンネルでは、地元の方が蒸し雑煮の作り方をレクチャーする動画も。
卵の蒸し上がるふんわりとしたやさしい香り。朝倉の家庭に伝わる郷土食、ぜひ作ってみたいですね。あなたの暮らすまちでは、どんなお雑煮が食べられますか?そのルーツには、地域の歴史が隠れているかもしれませんよ。
【参考】筑前朝倉蒸し雑煮 http://mushizouni.jp/
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