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2024.06.21

【朝倉のシンボル】三連水車と水の音風景

三連水車_6月

朝倉に初夏を告げる水の音

ザァザァ、ザブザブ、ジャージャー…豊かな水の音が響く、ここは朝倉市菱野。国の史跡として全国的に知られる、菱のの三連水車です。今年もの6月17日に、堀川用水にある水車群を稼働する水を通すため、源流となる筑後川の山田堰で通水式が開催されました。水神社の下にある山田堰の水門が開かれると、およそ15分ほどで約2km離れた水車群に水が届き、水車が動き始めます。たっぷりとした豊かな水と、水車に付いた柄杓が汲み揚げる水の音は、いわば朝倉の音景色。涼やかなのに力強い、いつまでも聞いていたい音が美しい田畑に響きます。

230年以上前から今も朝倉を潤し続ける水車群

三連水車

三連水車のある堀川用水ができたのは1718年のこと。朝倉は今でこそ豊かな水をたたえる田園地帯ですが、堀川用水ができた後も干ばつの被害を受ける地域が多く、改良改造が幾度となく加えられていました。その後、堀川の恩人・古賀百工により新堀川用水が完成、より高所の田畑に水を送るため、1789年に完成したのが三連水車でした。菱野の三連水車をはじめ、三島・久重の二連水車が今も現役で稼働。1990年にはこれらの水車群が堀川用水とともに国の史跡に指定されました。

朝倉の地と人を豊かな水でつなぐ

「朝倉と言えば三連水車」と言われるほど知られるようになった三連水車は、朝倉の農業を語る上で欠かせない現役の水車であるとともに、観光名所としても多くの人を集めています。農業は人びとの生活の中にあるものですから、水車は市民にとっても朝倉を象徴する存在。特に水車がある旧朝倉町内では、水車をモチーフとしたデザインやイラスト、水車をイメージさせる店名などをよく目にします。

朝倉市マンホール

三連水車が刻まれたマンホール。朝倉市のマンホールデザインのひとつ。

人びとの命や生活を支える農業。そして地域の産業を230年以上も支え続ける三連水車。時を超えた今も回り続ける水車は、朝倉のシンボルとして地域の文化を伝える存在でもあります。観光に訪れた方たちの心に、そして朝倉の未来を担う子どもたちの心に、美しい潤いの音色を運んでいるのです。

朝倉の揚水車群
【住所】福岡県朝倉市菱野(三連水車)
【期間】例年6月17日 から9月下旬 まで(水稲作付期間)

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