2024.07.05
朝倉にも暑い夏がやって来ました。まだ梅雨は明けていませんが、大雨と猛暑日が入り乱れ、ムシムシとした日が続きますね。今回はそんな夏にぴったりな朝倉は秋月の葛を使ったスイーツをご紹介します。
暑い夏のひんやりデザートといえば、動物性のゼラチンや海藻からできた寒天などがありますが、葛はその根から採れる植物性のもの。つるりとしたのどごしの良さだけでなく、でんぷん質ならではのもっちりとした食感を楽しむことができます。
葛はマメ科の多年草で、「日本書紀」にも記述があるほど古くから親しまれて来た植物。葛餅や葛きり、葛湯のほか、漢方の生薬として私たち日本人の生活に深く関わってきました。
そんな葛が秋月藩の名産品となり、幕府への献上品になったのは江戸時代後期のこと。秋月藩中興の祖・黒田長舒が開発製造を奨励した特産品のひとつが葛だったのです。幕府献上品となったことで秋月の葛は評判を呼び、全国的に知られるようになりました。
ちなみに長舒が奨励した秋月の特産品には、先に味のHAMONでピックアップした黄金川の川苔(川茸)もありました。
【材料】(4人分)
・葛粉…80g
・水…300ml
・砂糖…大さじ3
・きな粉・黒蜜…適宜
【作り方】
1. 葛粉と水、砂糖を鍋に入れて混ぜ合わせます。(まだ火にはかけません)
2. 葛粉が溶けたら中火にかけ、混ぜ続けます。ダマにならないよう混ぜ続けることがポイント。
3. 全体が透明になって粘りが出てきたら火をとめます。
4. 全体を軽く濡らした型(バットなどの容器でもOK)に入れ、容器の外側を氷水で冷やします。
5. 固まるまで2〜3分ほど冷やしたら型から取り出し、食べやすい大きさに切り分けます。
6. 器に盛り、きな粉や黒蜜をかければできあがり。
葛餅以外にも、こしあんを包んで葛まんじゅうにしたり、細く切って黒蜜をかけて葛切りにするなど、葛粉にはさまざまな楽しみ方があります。冬になると秋月の葛でとろみをつけた「くずかけ(だぶ)」という具だくさんの汁ものも。学校給食で登場したこともある、朝倉の郷土料理のひとつです。
葛には人の元気を支えるイソフラボンや抗酸化などの働きを持つサポニン、お肌に良いアラントインなどの栄養素が含まれており、近年世界的にも注目を集めています。また、そのつるっとした食感で夏にぴったりな葛スイーツですが、そもそも葛は体を温める性質を持つと言われているため、おいしく食べても体を冷やしすぎないのがうれしいですね。目にも涼しい透明感と、体にもやさしいおいしさで暑い夏を乗り切りましょう。
【参考サイト】
朝倉市ホームページ「ふるさと人物誌7 秋月藩中興の祖・黒田長舒 」
JAグループ福岡「おすすめレシピ くずかけ(だぶ)」
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