2024.10.11
生活インフラとしてまちに欠かせない建築・構造物。地域に溶け込みながら暮らしの中に息づいていたり、コミュニティの象徴として人が集う場になったり。まちの建造物が親しまれながら機能している様子を見ていると、それらの建築物や構造物が、まるで命を持った生き物のように感じられる。「工場萌え」「推しダム」など細分化された建造物マニアが増えた昨今、朝倉のまちにかくれた建造物を訪ね、そぞろ歩くのが【あさくら建造物さんぽ】。
今回ピックアップするのは構造物ファンにも人気の高いダム。美しい水のまち朝倉にある、個性あふれる3つのダムを訪ねてみよう。
着工は今から50年前の1974年。1977年に完成した、筑後川水系佐田川の寺内ダムは、岩石や土を積み上げて透水・半遮水・遮水をゾーニングして貯水する構造。水資源開発公団(現在の水資源機構)が、周辺環境との調和するよう手がけた最初の大規模ロックフィル型式のダムだ。
豪雨災害を耐え下流を守ってくれた寺内ダムをライトアップする光のアートイベント【TDL】寺内ダムライトアップが2024年の今年も秋に開催される。無機質な魅力を持つ巨大構造物のダムが、ライトアップで表情を変えるのがおもしろい。
【TDL】寺内ダムライトアップ2024〜ヒカリノダム〜
日時:2024年11月1日(金)~11月5日(火)
場所:寺内ダム下流広場
点灯時間:18:00~21:00
【寺内ダム】 独立行政法人水資源機構 筑後川上流総合管理所「寺内ダム管理所」
・管理所:朝倉市荷原1516-6
・あまぎ水の文化村「【TDL】寺内ダムライトアップ2024〜ヒカリノダム〜」
場所は古処山、屏山、馬見山の南麓に位置する江川地区。筑後川水系小石原川の江川ダムには、山に囲まれた地形や降水量の多さ、ダムの重量に耐えられる地盤の強度の観点から重力式コンクリート構造が採用された。治水機能を持たない、筑後川水系初の利水専用多目的ダムで、主に両筑平野への農業用水や福岡都市圏の生活用水として利用されている。
江川ダム「上秋月湖」は、一般財団法人水源地環境センターの「ダム湖百選」に選ばれる美しい景観が魅力。毎年6月には、水に感謝し、今年の豊水を祈願する江川水源祭が開催されている。ダム管理所のホームページ内「江川ダム写真館」で、ダムの魅力的な写真を公開している。
江川ダムと同じ筑後川水系小石原川の小石原川ダムは2021年に完成した新しいダム。洪水被害の軽減や水資源の確保、発電などに多目的に利用されている。寺内ダムと同じロックフィル型式の構造。堤高139mは九州一の高さで、4,000万立方メートルの総貯水容量を誇る。
まだ新しい壁は晴天時に光輝き、周りを囲む山の緑とのコントラストは言葉にできない美しさ。静かなダム湖面と季節ごとに表情を変える木々の中、遊歩道を歩くのもおすすめ。
公式サイトで公開されているライブカメラでは現在の様子もチェックできる。
【参考サイト】
・朝倉市「朝倉市内のダムを見に行こう!」
・独立行政法人水資源機構「筑後川上流総合管理所 所管施設のダムカード」
・国土交通省 ダムカード「九州地方」
・国土交通省「ダム活」ポータルサイト
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